【メインブログ『いつだって上機嫌』より過去記事再掲 2019.2.28】
ドナルド・キーン先生が旅立たれました
雑誌の取材でお目にかかり本の扉にサインをいただいた日が、遠く懐かしく蘇ります。
私的なことは書かないつもりで始めたブログですが、誰に約束したわけじゃなし、一度くらいいいですね。
日本に生まれ、日本人の両親のもと、日本語を母国語として育った私ですが、江戸時代
以前の文献を原語で読む力がありません。
現代語訳を手にすれば言葉はわかりますが、今度は内容が問題。
その時代に当たり前と思われている文化や風習を、態々 本文中に解説する著者はありません
から、単なる現代語訳では正確な内容が掴めないのです。
そのため、日葡辞書などをあわせて読まなければならない。手間ですし、難しい。
『日葡辞書』
古代語から近世語への過渡期にあたる「室町時代」の日本語を32,000語ほど収録した辞書。1603年頃の長崎に滞在したイエズス会の宣教師が、ポルトガル語で残したもの。日本の文化を当たり前と感じない外国人の視点が現代日本人の救いになります。
そのストレスを減らし日本文学への理解を助けてくださったのが、キーン先生でした。
訳本はたくさんありますがキーン先生の解説が格別なのです。
『古事記』にしろ『源氏物語』にしろ、キーン先生の解説がなかったら 今ほど生き
生きとは楽しめなかった。
先生、たくさんの作品を残してくださって ありがとうございます。
ずっと大切にいたします。